2012年10月17日水曜日

素人には難しいカメラの世界 3 ~ETTLの謎~

 今回はCanon純正リングストロボの話題についてです。実験の相方が使っていたCanon EOS kiss x3には、Canon MACRO RING LITE MR-14EXというリングストロボが装着されていました。このストロボには、ETTLモードというものとマニュアルモードというものがあるのですが、実験当初はその存在に気づかず、辻褄の合わない結果に翻弄されていました。このETTLモードというのは不思議な働きを持っており、Nikonのマニュアル撮影一辺倒で来た私にとっては、信じ難く怪しいと思いながらも、その機能に驚きを隠せませんでした。  
 ETTLというのは、Evaluative-Through The Lensの略で、『シャッターを切った瞬間に適切な光量を計算する為にストロボを少し発光させ、周囲の光の量も合わせて最適な発光量を決定するシステム』だそうです。よくわかりませんが、とにかくどんな条件で撮っても明るくなってしまうのです。
 通常、絞りを絞れば、被写界深度は深くなりピントは全体に合いやすくなりますが、暗くなってしまいます。逆に、絞りを開けば明るくなりますが、ボケがちな画像になってしまいます。当然、ピントが合っている方が良いわけですが暗くても困るということで、Nikon D7000ではある程度の所で設定を決めていました(F22)。しかし、このETTLモードで撮ると、どんなに絞りを絞っても画像が暗くなるということはないのです。最初は、絞りの設定がキャンセルされているのではないかと疑いましたが、被写界深度には影響を与えているので、そんなこともないようです。
 ISOをいじってみても、ETTLは常に明るさを一定に保とうとしてくれます。ISOを上げるとノイズが出てくるので、最小にしておくことが可能なら、それに越したことはないのではないでしょうか。
 シャッタースピードも明るさに影響を与えますが、手ぶれや連射のことを考えるとシャッタースピードは速い方がいいでしょう。ETTLモードにすると、シャッタースピードは1/200が上限になるようです。あまり速すぎると、適量な光量の計算が間に合わないのかもしれません。  
 結果として、ETTLモードで撮影すれば、シャッタースピードを速くする(1/200)ことで手ぶれを防止し、絞りを限界まで絞る(F32)ことでピントを奥まで合わし、ISOを最小にする(ISO100)ことでノイズも最小限にするという設定で、かつ適切な明るさの画像が得られるということになりました。マニュアル撮影が染み付いている身としては、にわかに信じられず、どこかに落とし穴があるのではと疑っていますが、得られた画像は正直に綺麗でした。