今年の全体会のタイトルは『可撤性の可能性』とした。当初は『固定性と可撤性をめぐって』というタイトルだったが、そもそもの発端は昨今の若手に『可撤性』というもののイメージが不足していることが基本ゼミを通じて危惧されたことにある。つまり、歯周病や予後不安な歯を抱える欠損歯列に、厳しい固定性やちぐはぐな補綴設計、あるいは過剰なインプラント補綴を選択せざるを得なくなってしまっているということが大きな問題となっていた。
しかし、私たちもくあみ会はこれまで可撤性の話題を大切にしてきた。そんな集合だからこその今回の企画である。固定性やインプラントを中心とした補綴が主流の世の中に対して、この全体会は一滴の雫過ぎないかもしれないが、その一滴もたくさん集まれば大きな川になる、そんな志をもった全体会にしていきたいと考え、タイトルスライドを作った。スライドの水滴は、瀬戸内海に浮かぶ豊島の美術館のアートの一部である。
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