2018年8月7日火曜日
2016年12月6日火曜日
代替品
しかし、購入した咬合器が届いた矢先に、前述したラボからの技工物の中に「おや?」と思うラボメイトIIがありました。しっかりしているはずのセントリックにカタツキがあるのです。よくよく調べてみると、上弓をとめているネジが錆びて緩んでいるようでした。怪我の功名で、今後はこんなところも注意深くみていきたいと思います。 咬合器の相談相手から、CSA-300なる平均値咬合器も薦めていただきました。KAVOのProterのそっくりさんですが、こちらも購入したので折を見て使ってみたいと思います。
2016年7月15日金曜日
すれ違い咬合の補綴処置
先日の臨床歯科を語る会の全体会で行われた「左右的すれ違い傾向症例の補綴処置」を聴き感じたことを、若手の一人として述べたいと思います。
いきなり関係ない話ですが、行きつけの美容院で「若手の一人として〜」と話していたら、美容師さんから「えっ?まだ若手なんですか?」と言われました。確かに37歳でいつまでも若手なんて言っていられないなと恥ずかしい思いをしました。これからは脱・若手宣言です。スライド6枚になってしまったため、分けて連載します。
2015年12月28日月曜日
テレスコープ内冠の変色
テレスコープデンティストの書籍で拝見した内冠の変色と似た現象を経験しました。機能的には問題なく、患者さんの大らかさにも助けられ、今のところ特にトラブルには発展していませんが、目にした時は「とうとう我が身にも起こったか...」と複雑な気持ちになりました。
手前の内冠は当然同時に作ってもらっていますから、鋳造過程に要因があるとは考え難く、後天的な部分に犯人が潜んでいないか取り調べ中です。
・使用金属は『ベネフィットG』
・40日前の写真には変色はみられない
・健康食品として『セサミン』『黒酢』があるが、いずれもカプセルタイプ
・歯磨き粉を1週間前に変えた
2015年12月11日金曜日
2015年10月30日金曜日
名古屋で考えたこと
しんせん組10周年記念発表会におけるM先生の発表を聞いていて、勉強になったことや感じたことがいくつかあったため、備忘録的に留めておきたい。
『全体がみえるフォーマット』
事前抄録に、KA367+パノラマ+5枚の口腔内写真というフォーマットが活用されていた(画像)。欠損歯列を評価する方法はいくつかあるが、歯数や咬合支持数という尺度では、この症例の難しさは見えてこない。KA367の歯式による小文字の効果がようやくその気配が感じさせるが、事を明確にしているのは数字ではなく、やはり5枚の現実だ。
フォーマットから、この症例は『咬合関係による難症例』であるということが一目でわかる。左側の大臼歯支持は保全されているものの顎位低下が疑われるが、それは右上の補綴が外れているからなのか、あるいは咬耗によるものなのだろうか。欠損進行による顎位低下と、咬耗による顎位低下は分けて考えなければならなさそうだ。さらにAngleII級であることや、クレンチングがありそうなことも難しさに拍車をかけている。
『Keytooth』
プレゼンでは右上3をKeytoothと捉え、その保存に努められていた。犬歯を失うと補綴設計は複雑化するし、そのダメージは全体にとって大きなものとなるため、この歯を残す意義は極めて大きい。語る会でも拝見したケースだったが、保存した犬歯を軸に見事な咬合再建がなされており、その後の経過も良好なようだった。
Keytoothは局面によって果たす役割が変わってくる。あえて定義するなら『症例の流れを左右する歯』といってよさそうだ。一度小文字化(弱体化)した歯が保存できたとして、それがKeytoothだった場合、大文字だったときのように扱って良いのかどうかは一考の余地がある。Cr-Brで対応されていたケースだが、小文字は大文字には戻らないと捉え、少々過保護に設計に組み込んでいくとするならば、可撤性への道をこの段階から見据えていくというのも一つかもしれないと感じた。
もう一つ。Keytoothは常にあるものなのかどうか。先ほどの定義からすると、流れが変えられないケースはkeytoothが存在しないということになる。そのようなケースはインプラントでKeytoothを作るか、流れに逆らわない方向を目指すのかということになろう。犬歯・大臼歯・智歯は代表的なKeytoothだが、単に歯名から決めるのではなく、流れの中からKeytoothの有無を見る目も養いたい。
『年齢』
来年度もくあみ会全体会で予定しているテーマ『固定性・可撤性』のことばかり頭にあるせいもあるだろう。大御所O先生が発表会の最後でコメントを求められ、「15年経つとトラブルが出てくる・・・」とおっしゃっていたこともある。患者が何歳から軟着陸を考えなければいけないのだろうか。Cr-Brのみでいけるケースを逸脱した時が一つの潮目のようだが、超一流の歯科医が処置して15年なら、一般の歯科医ならもっと短期間で・・・と思うと、あんまり攻めたくない・・・という思いが強くなる。術者の年齢がまだ若いうちに安穏なことばかり考えていても良くないのかもしれないが。。
『人の患者・自分の患者』
全体会などで症例のとりまとめ役をしていてわかってきたことだが、人の症例をみても自分とその患者との関わりがないため、問題点の抽出や難易度の評価、補綴設計などの見通しも遠慮なしに立てられる。一方、自分の患者のこととなると、顔・性格・背景・希望などが浮かんできて途端に眼鏡が曇り始め、簡単に固定性・可撤性の采配はつけられない。術者にしかわからない患者との関係性が、臨床やケースプレゼンテーションを難しくも面白くもしている。
2015年2月4日水曜日
印象材とアドヒーシブ8
ここまで、実験とはいえないような簡単な調査を行ってきましたが、それなりにベースとなる事象の確認はできました。ただ、この結果がそのまま臨床に当てはめられるかというとそうではないでしょう。どのような『印象採得』システムを用い、その中の具体的な条件下において、『印象材とアドヒーシブ』を正しく活かすための検証が必要であると考えています。
もくあみ会の準備で慌ただしくなっておりますので、若干?ペースは落ちるかもしれませんが、もう少し続けていきたいと思います。
もくあみ会の準備で慌ただしくなっておりますので、若干?ペースは落ちるかもしれませんが、もう少し続けていきたいと思います。
印象材とアドヒーシブ7
[ 目的 ]
インプリンシスシリコンアドヒシーブ以外のアドヒーシブの効果を検討する.
[ 材料 ]
アドヒーシブ:1. アドヒーシブ(GC)2.フュージョンIIアドヒーシブ(GC)3.Caulk Tray Adhesive (DENTSPLY)
印象材:1. エグザミックスファイン(GC) 2. フュージョンII (GC)3.アクアジル(DENTSPLY)
レジン:オストロン2(GC)
[ 方法 ]
・オストロン2を通法に従い練和し, プレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・各アドヒーシブをプレートに1回塗布し乾燥
・各シリコン印象材を築盛し完全硬化
・ピンセットを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[ 結果 ]
・エグザミックスファインは多くの部分が接着していなかったが, 凝集破壊がみられた部位もあった.
・フュージョンIIでは凝集破壊が認められた.
・Caulk Tray Adhesiveはレジンとの界面で接着が剥がれていた.
[ 考察とまとめ ]
・GCアドヒーシブとCaulk Tray Adhesiveはいわゆる『とりもち』状の接着剤であり, 化学的接着に比べて信頼性に劣ると考えられる.
・GCアドヒーシブでは一部で凝集破壊が認められ, 塗布の方法によってはある程度の接着力が得られるようだが, その方法については現段階では不確かである.
・Caul Tray Adhesiveは, レジンとの接着力自体が弱いため, トレーに保持孔などのアンダーカットを併用しないと, 印象撤去時に大きな変形を起こす可能性がある.
印象材とアドヒーシブ6
[ 目的 ]
レジンの種類が, 接着に及ぼす影響についてを検討する.
[ 材料 ]
アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ) 印象材:インプリンシス (トクヤマ, インプリント4 (3M ESPE), フュージョンII(GC) レジン:ユニファスト3 ( GC ), プロビナイス(松風), キュアグレース(トクヤマ)
[ 方法 ]
・ユニファスト3, プロビナイス, キュアグレースを通法に従い練和し, プレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回塗布し乾燥
・インプリンシスを築盛し完全硬化
・ピンセットを用いてインプリンシスの剥がれ具合を確認
[ 結果 ]
・全てのレジンにおいて, 十分な接着が得られた.
[ 考察とまとめ ]
・ユニファスト3, プロビナイス, キュアグレースのいずれも, 完全重合し表面を削合するなど適切な処理をおこなえば, 問題なくインプリンシスシリコンアドヒーシブは機能すると考えられる.
印象材とアドヒーシブ5
[ 目的 ]
被着体としてレジンの表面性状が, 接着に及ぼす影響についてを検討する.
[ 材料 ]
アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ) 印象材:1. エグザミックスファイン(GC) 2. フュージョンII (GC)3. インプリンシス (トクヤマ) 4. インプリント3(3M ESPE)5. インプリント4 (3M ESPE)6. アクアジル(DENTSPLY) レジン:キュアグレース(トクヤマ), オストロン2(GC)
[ 方法 ]
・キュアグレース, オストロン2を通法に従い練和し, ガラス練板で挟むように圧接
・熱湯に浸漬し完全重合
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回塗布し乾燥
・各種シリコン印象材を築盛し完全硬化
・ピンセットなどを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[ 結果 ]
・被着体キュアグレースにおいては, フュージョンII以外の印象材で, 接着阻害が認められた.
・被着体オストロン2においては, エグザミックスファインとインプリント4 で接着阻害が認められた.
[ 考察とまとめ ]
・キュアグレースの滑沢な表面性状には, 多くの印象材が接着阻害を起こしたが, オストロン2では 接着が得られたものもあった. これは, レジンのポリマーなどの違いに関係があるのではないかと考えられる.
・臨床においては, レジン表層の削合やサンドブランスティングなどで粗面としておくことが接着力の向上に寄与すると思われる.
・印象直前の個歯トレー内面調整の際の残留モノマーやワセリン、あるいは口腔内試適時の唾液による汚染表面に対しての影響も今後検討する余地がある.
2015年1月30日金曜日
印象材とアドヒーシブ 4
[ 目的 ]
インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)をレジントレーに塗布する回数により, 接着力に違いがでるのかを調査する.
[ 材料 ]
アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)
印象材:インプリンシス (トクヤマ)
レジン:オストロン2(GC)
[ 方法 ]
・オストロン2を通法に従い練和しプレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回, 3回, 5回塗布
・インプリンシスを築盛し完全硬化
・ピンセットなどを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[ 結果 ]
・全ての被検体において, 剥がす際に凝集破壊が認められた.
・塗布回数による接着力は大差ないように思われた.
[ 考察とまとめ ]
・重ね塗りをすることにより, アドヒーシブの被膜の厚さが増し, 接着阻害につながると云われているが, 本実験ではその影響は認められなかった.
・重ね塗りよりも, レジンの表面性状や汚染状態の方が接着に与える影響を大きいと考えられる.
インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)をレジントレーに塗布する回数により, 接着力に違いがでるのかを調査する.
[ 材料 ]
アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)
印象材:インプリンシス (トクヤマ)
レジン:オストロン2(GC)
[ 方法 ]
・オストロン2を通法に従い練和しプレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回, 3回, 5回塗布
・インプリンシスを築盛し完全硬化
・ピンセットなどを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[ 結果 ]
・全ての被検体において, 剥がす際に凝集破壊が認められた.
・塗布回数による接着力は大差ないように思われた.
[ 考察とまとめ ]
・重ね塗りをすることにより, アドヒーシブの被膜の厚さが増し, 接着阻害につながると云われているが, 本実験ではその影響は認められなかった.
・重ね塗りよりも, レジンの表面性状や汚染状態の方が接着に与える影響を大きいと考えられる.
2015年1月20日火曜日
印象材とアドヒーシブ 3
[目的]
インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)は, レジンと同社シリコン印象材を化学的に 接着させると云われている. 本実験では, 他社シリコン印象材との相性を検討する.
[材料]
・アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)
・印象材:1.エグザミックスファイン(GC)2.フュージョン2(GC)3.インプリンシス(トクヤマ)4.インプリント3(3M ESPE)5.インプリンシス4(3M ESPE)6.アクアジル(DENTSPLY) 7. パナジル(KETTENBACH)
・レジン:オストロン2(GC)
[方法]
・オストロン2を通法に従い練和し, プレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回塗布し乾燥
・各種シリコン印象材を築盛し完全硬化
・ピンセットなどを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[結果]
・エグザミックファインは明らかに接着していなかった.
・それ以外の印象材は, 剥がす際に凝集破壊がみられた.
[考察とまとめ]
・エグザミックスファインに対して, インプリンスシリコンアドヒーシブは効果を発揮しないと考えられた.
・印象材とアドヒーシブの相性を十分確認した上で, 使用を検討すべきである.
インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)は, レジンと同社シリコン印象材を化学的に 接着させると云われている. 本実験では, 他社シリコン印象材との相性を検討する.
[材料]
・アドヒーシブ:インプリンシスシリコンアドヒーシブ(トクヤマ)
・印象材:1.エグザミックスファイン(GC)2.フュージョン2(GC)3.インプリンシス(トクヤマ)4.インプリント3(3M ESPE)5.インプリンシス4(3M ESPE)6.アクアジル(DENTSPLY) 7. パナジル(KETTENBACH)
・レジン:オストロン2(GC)
[方法]
・オストロン2を通法に従い練和し, プレート状に成型
・完全重合させた後, 表層をカーバイドバーにて一層切削
・インプリンシスシリコンアドヒーシブをプレートに1回塗布し乾燥
・各種シリコン印象材を築盛し完全硬化
・ピンセットなどを用いてシリコン印象材の剥がれ具合を確認
[結果]
・エグザミックファインは明らかに接着していなかった.
・それ以外の印象材は, 剥がす際に凝集破壊がみられた.
[考察とまとめ]
・エグザミックスファインに対して, インプリンスシリコンアドヒーシブは効果を発揮しないと考えられた.
・印象材とアドヒーシブの相性を十分確認した上で, 使用を検討すべきである.
2014年12月20日土曜日
印象材とアドヒーシブ 2
シリコン印象材が開発された歴史はわかりませんが、おそらくは『精密に印象を採る』ということが目的だったのだろうと推測します。そして、それは『適合』を追求するためとも言い換えられます。印象材だけでなく、ペリオや形成といった支台歯の問題、石膏や埋没材などの技工室の問題など、とても多くの因子が『適合』に関与していて、それらは先人達が一つずつ明らかにされてきました。印象法の中では、個人トレーと個歯トレーを用いた印象が最も印象精度が良いとされています。いかに印象材の寸法精度が向上したとしても、既製トレーを用いる方法は、個人・個歯トレーのアドバンテージを超えられていないというのが一般的な考えです。
シリコン印象材の新製品の広告は頻繁に舞い込んできますが、専用のアドヒーシブが併売されている製品はほぼありません。そのようなメーカーは個歯トレーの使用を想定していないと考えて良さそうです。トクヤマに仁義を立てて、インプリンシス一本!でも十分かもしれないのですが、新製品が持つ、硬化時間の短縮・撤去の容易さといった特性は患者さんへのメリットになるため無視はできません。個歯トレーを使っていく上で、良さそうな組み合わせを見つけたいというのが今回の実験の目的です。
実験は色々やっていますので、気長にお待ち下さい。。。
シリコン印象材の新製品の広告は頻繁に舞い込んできますが、専用のアドヒーシブが併売されている製品はほぼありません。そのようなメーカーは個歯トレーの使用を想定していないと考えて良さそうです。トクヤマに仁義を立てて、インプリンシス一本!でも十分かもしれないのですが、新製品が持つ、硬化時間の短縮・撤去の容易さといった特性は患者さんへのメリットになるため無視はできません。個歯トレーを使っていく上で、良さそうな組み合わせを見つけたいというのが今回の実験の目的です。
実験は色々やっていますので、気長にお待ち下さい。。。
2014年12月15日月曜日
印象材とアドヒーシブ
インプリンシスのアドヒーシブは、唯一化学的にトレーレジンと接着すると言われています。対象となるシリコン印象材は選ばないとも言われていましたが、どうやら物によっては相性なのかきちんとくっついていないということがわかりました。純正の印象材を使えばいい話なのですが、最新のものからするとインプリンシスはやはり一世代前の材料という感じはぬぐえません。歯肉のコントロールがきちんとされた状態で、個歯トレーを用いれば問題なく印象採得が行えるということはわかってはいますが、精度や硬化時間、親水性などの性能向上に目を背けることもないだろうと考え、デモ機をお借りして色々試してみることにしました。新製品ではキュアグレースといった好例もあるため、材料に対しては常に好奇と疑惑の眼差しを向けていきます。当座の目的はインプリンシスアドヒーシブとの相性をみることです。
2014年4月20日日曜日
歯科補綴を考える会
昨今の若い歯科技工士の離職率の高さから、将来の補綴がどうなっていってしまうのか器具されています。歯科業界全体が斜陽と言われている中で、彼らを取り巻く環境は一朝一夕に変化するものではないかもしれませんが、まずは臨床のやりがいや楽しさをより知ってほしいという考えから、「歯科補綴を考える会」というアプローチが行われました。6人の若手テクニシャン、3人のベテランテクニシャン、4人の歯科医が集まり、プレゼンでは質の高い歯科技工が支える臨床について語られました。手探り状態のスタートでしたが、これから良い関係を築いていけるよう願っています。
2014年1月24日金曜日
左右的残存歯偏在について どこから偏在を意識するのか
この患者さんを担当することになったのは2012年で、右上6番のHys症状を訴えられていた。残存歯数は24本と多く、アイヒナーや咬合三角でスクリーニングしたとしても、おそらく得られることは少ないだろう。しかし、KA367や過去の臨床記録を紐解いていくと、危機が迫っていることがわかる。代表的な既往歴としては、右上7歯根破折・下顎前歯部の自然失活・右下ブリッジの脱離があり、咬合力の強さが疑われ、パノラマや口腔内写真からもそれは合致していた。左下67欠損の時期は不明だったが、義歯は入っておらず、右側に偏った咀嚼が右上7歯根破折の呼び水となったのは間違いない。
このときは、右上6のHys症状も偏在の延長線上に起こっていること、また大臼歯支持の必要性を説いたが、義歯・移植・インプラントのいずれも却下であった。その後、何度かのメインテナンスを経て、2014年1月に右上6の歯冠破折という形で、状況悪化は現実のものとなった。
対角線的に67欠損が起こっている状態を我々はクロス偏在と呼んでいるが、この呼称はまだ一般的なものではないかもしれない。しかし、この欠損形態にはかなり高い頻度で遭遇するし、これからも大きな課題となるはずだ。クロス偏在に陥った後、次に危険に晒されるのは小臼歯になるが、この関門が易々と突破されるようだといよいよ本丸の犬歯がみえてくる。本症例の場合、左上犬歯陥落の道まで見えており、左右的すれ違い咬合の可能性まであるといっても言い過ぎではないだろう。
このときは、右上6のHys症状も偏在の延長線上に起こっていること、また大臼歯支持の必要性を説いたが、義歯・移植・インプラントのいずれも却下であった。その後、何度かのメインテナンスを経て、2014年1月に右上6の歯冠破折という形で、状況悪化は現実のものとなった。
対角線的に67欠損が起こっている状態を我々はクロス偏在と呼んでいるが、この呼称はまだ一般的なものではないかもしれない。しかし、この欠損形態にはかなり高い頻度で遭遇するし、これからも大きな課題となるはずだ。クロス偏在に陥った後、次に危険に晒されるのは小臼歯になるが、この関門が易々と突破されるようだといよいよ本丸の犬歯がみえてくる。本症例の場合、左上犬歯陥落の道まで見えており、左右的すれ違い咬合の可能性まであるといっても言い過ぎではないだろう。
2013年9月29日日曜日
レジンにもシワ?
パラファンクションがある方の臼歯部の金属咬合面に『シワ』が寄ることがあるというは、先人の先生方の発見から教わりました。内冠にも形成されている写真も見たことがあり、なぜそのようなことが起こるのか不思議に思っていました。材料学も化学もわかりませんから、きっと分子構造がどうこうなるんだろうと勝手に納得していました。
先日見つけたのが、左の写真です。シワを目立たせるためにコントラストを強めています。レジン前装冠の入った犬歯ですが、唇側にシワがあります。形状的には3本の鋭い爪で削ったようにシャープです。シワというと周りから押し寄せられて…というイメージですが、これを見るとアブフラクションのようにに弾けたようにも見えます。よくよく考えれば、天然歯のエナメル質にも似たような横線をたまに見かけるような気がしてきました。結論としては、世の中よくわからないことばかり…です。
先日見つけたのが、左の写真です。シワを目立たせるためにコントラストを強めています。レジン前装冠の入った犬歯ですが、唇側にシワがあります。形状的には3本の鋭い爪で削ったようにシャープです。シワというと周りから押し寄せられて…というイメージですが、これを見るとアブフラクションのようにに弾けたようにも見えます。よくよく考えれば、天然歯のエナメル質にも似たような横線をたまに見かけるような気がしてきました。結論としては、世の中よくわからないことばかり…です。
2013年9月19日木曜日
霧散した偏在
83歳の男性です。正面観からは残存歯の偏在がわかり、吸収のみられる左下の顎堤は対顎の加圧要素の影響を受けてきたことを想像できます。この欠損形態のまま補綴となれば苦戦が予想されますが、僥倖だったのはその悪玉ブリッジが外れたという主訴で来院されたことです。
いくつかの残存歯は立て直すことも可能でしたが、年齢や全身状態などの患者要素からコーピングとして、上下総義歯に移行することとしました。総義歯は特別得意なパターンというわけではありませんが、来院回数も比較的少なく済み、満足いただける形となりました。
安定しやすいといわれる少数歯残存症例でも、強い咬合力と偏在が重なると苦労することがあります。そんな時、”減らす改変”は高齢者にとって優しい選択肢といえるのではないかと考えてます。
2013年8月26日月曜日
2012年12月30日日曜日
夢の通い路
ブログの不更新を散々怒られながらもできなかったのは、聖地巡礼の準備があったからに他なりません。(いつもこういう言い訳をしているような気がしますが。)私の場合、仕事が遅くいつもギリギリまで準備をしているせいで、本番直前はいつも寝不足になります。ようやく眠りについても、すぐ起きなければならないので夢をみる間もありませんでした。そんなフラフラの状態でしたが、クリスマス直前の12月22~23日、十二人の使徒の一人として、歯科界のジーザスの下に集いました。
日本の反対側へ向かうこと4時間余。真鶴はあいにくの土砂降りでしたが、二度目となる町並みに懐かしさを覚えながらも、徐々に興奮と緊張で心がざわついていきました。というのも、今回は自分の発表だけではなく、一つの企画を担当させていただくということになっていたからです。到着後は、昼食をとってからプレゼンテーションというスケジュールでした。食事班の先生方が用意してくださったカレーライスも、企画のことで頭がいっぱいで、わずか2回のおかわりしかできないという体たらくでした。そうこうしている内に本番です。真鶴メンバーの中で最も実力も経験もない私ですから、それを少しでも補うためには地道な作業しかないと考え臨んだつもりでしたが、アプローチとしてはいまひとつだったように思います。慣れない座長という仕事もろくにこなせず、反省ばかりが残る企画となりました。関係者のみなさま方には、この場を借りてお詫び申し上げます。
真鶴セミナーでは、食事も大きな醍醐味の一つです。各地からおいしい食材が集まり、それを調理して、みんなでいただくというのは何にも代え難い楽しさです。一日目の夜のメインは鱈鍋。それひけをとらない白子や鱈子、ローストビーフなど至高のメニューがテーブルを埋め尽くす様は圧巻です。お酒がすすむのは当然で、それぞれの近況話や、新入りの自己紹介を肴に盛り上がりました。トピックだったのは、福島いわきの震災後のお話で、人のにぎわいが消えてしまったという言葉には現状を強く実感させられ、復興のみちのりの険しさを認識しました。その後も、深夜三時近くまで宴は続きましたが、とうとうギブアップ。あっという間に眠りにおちて、この日も夢をみることもなく朝まで熟睡でした。
7時起床の翌朝も、豪華な朝食からスタートでした。前日あれだけ食べたにも関わらず、最年少の食欲に負けていられないと三膳のご飯を平らげて、二日目の企画が始まりました。テーマは”前歯部の歯冠修復”で、修復材料の選択理由や適合、色調、支台築造からセメントに至るまでディスカッションが行われ、各先生方の取り組みが大変勉強になりました。私は、失活歯(メタルコア)にe.maxを用いたケースを発表させていただきました。厳しい日程の中、テクニシャンの方に無理をいって製作してもらい何とか仕上げたプレゼンでしたが、もっと深く掘り下げて話をするには、これを始まりとしてケースを増やし、厳しい目で突き詰めていく必要性を感じました。そうして二日間に渡るプレゼンテーションが終わり、カーテンを開けると青空が広がっていました。晴れ晴れとした気持ちで撮った集合写真は、皆それまでの疲労が吹き飛んだような気持ちの良い笑顔でした。
帰途、真鶴駅で後輩が言った「あっという間で、夢みたいだった」との言葉に、嗚呼、そうか、夢はこっちだったかと思いながら、雪が降っているらしい新潟へ帰郷となりました。神様(金子先生)、夢のような二日間をどうもありがとうございました。
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