今年も臨床基本ゼミOB会である『もくあみ会』が行われました。今回から東京医科歯科大学に会場が移ったり、実行委員が新体制に変わったりと、心機一転新たな船出となりました。
1日目の会員発表では、2013年受講生から2人、旧実行委員から2人、恒例の演者陣3人が登壇され、いずれもレベルの高いケースプレが繰り広げられました。4年前から参加させていただいているもくあみ会ですが、これまでで最も張りつめた雰囲気があったように感じました。真剣なディスカッションの賜物ですが、初登場の演者の緊張感や、慣れない会場のせいもあったかもしれません。
2日目全体会では、新実行委員長の横で座長のお手伝いをさせていただきました。『左右的残存歯偏在の治療方針』と銘打ち、4人の演者の先生と御大である金子先生に御登壇いただきました。私はプロローグを担当しましたが、事後抄録として本ブログで後記したいと思います。
左右的偏在を抱えた4症例報告は、単に歯の数や咬合支持だけで治療方針は決まらないことを物語っており、それぞれが持っているものをくまなく診ること、それを取捨選択し反応をみながら処置を決断していくこと、やはり欠損歯列は個別対応であるということを強く意識させてくれました。
最後は総括として金子先生から御講演いただきました。『etwas neues』というタイトルスライドがスクリーンに出現した瞬間、誰もが目を奪われたようで、直後から隠し撮りのシャッター音があちこちから聞こえてきました。このドイツ語は、『something new 何か新しいことを』という意味だそうですが、60年という前人未到の臨床の中で、常に仮説を立て、それを立証するために見つめ続け、その中からまた新しいことを見つけていくという内容で、いつまでも聞いていたい思うようなお話でした。毎回総括をしていただいているのでいい加減怒られそうですが、私が実行委員でいる間は嫌がられてもお願いし続けようと思います。
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