2012年9月29日土曜日

素人には難しいカメラの世界 2

 前回の記事では、口腔内写真の色調・明るさ・鮮明さを総合して『質』という表現を用いましたが、『仕上がり』という表現の方が正しいとご指摘をいただきました。日本語は難しいですね。違和感は感じつつも、正しい言葉で表現できないことが多々あり、語彙不足を感じます。 
 左の図は、デジタルカメラで撮影した被写体が、画像として出来上がる大まかな流れです。普段は緑矢印のコースのようにRAWデータをPhotoshopで現像しJPGにしていますが、もし赤矢印のコースで得られるJPGが無調整で使えるような仕上がりであれば、画像編集作業もずっと楽になるでしょう。果たして、カメラの中で現像されるJPGの仕上がりをこちら側が何かを弄る事で調整していくことができるのかチャレンジしてみることにしました。
上段左右2枚の画像は、Canon EOS kiss x3でRAW+FINE(JPG)で撮影したものです。前回の実験で、せっかく適した露出設定にしたにも関わらず、出てきたJPGは見る影もありません。一体、カメラの中で何が行われているのでしょうか?一方で、下段左右のNikon D7000で撮影したRAW+FINE(JPG)では、まずまずのJPG画像が得られています。『Canonは鮮やかな色』に、『Nikonは忠実な色』に現像される傾向にあるとどこかで読んだ記事と同様の実感を受けました。とにかく、右上のJPGでは使い物にならないことは確かです。
カメラの中の現像過程で何が行われているのかを調べていくと、Nikonではピクチャーコントロール、Canonではピクチャースタイルと呼ばれる設定項目があることに気づきました。参照画像はNikonのものですが、6つのピクチャーコントロールが用意されており、状況に合った設定を選ぶことができるようになっていました。デフォルトではスタンダードになっていましたが、要確認でしょう。まさかモノクロだと気づくでしょうが、何かの拍子にビビッドになんかなっていたら大変です。マニュアルで微調整もできるようですが、何百通りも試してみないといけなくなるため断念せざるを得ませんでした。ここはハマるところではないという危機感が働きました。Nikonで抑えておくべきことは、『ピクチャーコントロールはスタンダードにしておく』ということでした。
Canonのピクチャースタイルもほぼ同様で6つに分かれていましたが、全てがそのまま使えるJPGではありませんでした。つまり、このカメラに限っていえば、『PCでのRAW現像が必須』ということがわかりました。

2012年9月14日金曜日

素人には難しいカメラの世界 1

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 スタディグループLMNでは、9月は中休みの予定でしたが、ただ休みにしても勿体ないということで、ある企画を考えました。テーマは『口腔内写真の質の向上を目指して』。私と後輩Tとで夜な夜な集まり、互いに写真を撮り合いながら、様々な実験を行っていきました。
 「結局カメラって何を買えばいいの?」という声はよく聞かれます。私は、大本営ブログで推薦されていたカメラセットをその通りに購入したのでNikon派ですが、意外とCanon機を持ってる者が多いのも事実です。綺麗に撮れればどちらでも良いのかもしれませんが、『質』の向上のためにはそれぞれの特性を理解しておく必要があると考え、私はカメラとレンズの違いが、『質』にどのような影響を与えるのかを調べることにしました。
 まず行った実験は、Nikon D7000とCanon EOS kiss X3を用意し、両者とも同じ露出設定、同じストロボ、そして同一被写体を撮影しました。その結果は…
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 Nikon D7000 + Nikkor85mmの組み合わせの方が、Canon EOS Kiss X3 + Tamron90mmの組み合わせよりも明るい画像が得られました。この差はどこから生まれてきたのでしょうか?シャッタースピード・絞り・ISOらの値が両社とも規格性があると仮定すれば、原因はカメラ本体とレンズの違いにあると考えました。しかし、レンズのF値はTamronの方が小さかったり、被写体との距離もほぼ変わらなかったりで、ここまで明るさに差が出る原因ははっきりしませんでした。もう一つはカメラのグレードの差ですが、D7000はミドルクラス、EOS kiss X3はエントリークラスというだけで、そんなに違いが出るとも考えにくく・・・結局答えはわかりませんでした。
 第一実験のまとめになります。行きついた先は当たり前のことですが、『そのカメラに合った露出設定を見つけ出すことが重要』でした。素人二人が集まって、あーでもないこーでもないと言いながらやった実験なので、実験の方法は拙く信頼性には欠けますが、おそらく結論は間違っていないでしょう。「全然的外れ!」というご意見をいただいた場合は、追記があるかもしれませんので、あしからず。