2013年5月13日月曜日

由々しき問題



  画像調整やスライド作りに欠かせないアプリケーションPhotoshop。初めは慣れないインターフェースに四苦八苦しましたが、徐々に操作の面白さにとりつかれ、未だわからない機能はあるものの試行錯誤しながら楽しんで使用しています。元来プロ用のソフトですが、我々の分野のプレゼンテーションでも使われるようになったのは、先達の先生方が実際のプレゼンをもって証明されてきたからだと思います。我々若手は、その恩恵をさらなる若手に伝承していく必要があるのですが、ここ数年のAdobeの方針には戸惑いを隠せません。それを感じ始めたのは、以前このブログでも挙げたRAW問題に直面した時です。極めて早いスピードで新作が打ち出される一眼レフですが、その新しいRAWに古いバージョン(といってもわずか1世代前のバージョンでしたが)のPhotoshopが対応してくれず、アップグレードを強いられました。

 加えて、CS6以降からはアップグレードポリシーを「直近1つ前の主要バージョンまで」という暴挙を発表しておきながら、猛反発にあったのか期間限定でCS3,CS4もアップグレードの対象にするというブレようでした。私の周囲のCS3ユーザーはあわててアップグレードしていました。私はCS5ユーザーですが、CS7のニュースが出たらやむなくアップグレードするか…と諦観してました。必要性を感じないバージョンアップをされた方も多かったのではないでしょうか。

 ところが、今度はCSの新規開発は停止して、6月からはクラウド版のCreative Cloudに一本化することを発表してきました。全てパックだと月5,000円、Photoshopのみだと月2,200円だそうです。CS3以降の製品を持ってるユーザーは初年度のみ40%オフとかいっていますが、どうにも釈然としません。常に新しいバージョンが使えるのは本当のプロにとっては良い出来事なのかもしれません。海賊版対策というのも理由の一つなのでしょうが、それなりに高価な製品を購入した真面目なライトユーザーがいつも巻き添えをくらっています。カメラの新調までは今のバージョンのものを使っていくでしょうし、使用頻度から考えれば毎月の2,200円は許せる範囲です。そもそもRAWで撮っていないという方はさほど影響しない話題かもしれません。しかし、これからPhotoshopを使っていこうと人にとっては、大きな障害となるでしょう。財布の軽い若手の集まりの中では、Photoshop導入はかなり決意のいることで、それでも意思あるものは後に続いてくれていましたが、押しの弱い私にとって、今後若手に使用を薦めるのはさらなる難題となりました。

変革の対応として、発想の転換が必要かもしれません。左画像の筆を加えている犬はGIMPという画像編集ソフトですが、フリーなのに高機能ということで知られています。まだいじったわけではありませんから何もいえませんが、もしこういった別のアプローチで現在やっていることができるのであれば、それを模索するのも次世代の仕事となるでしょう。