2017年8月27日日曜日

衣錦之栄


 10年前、臨床基本ゼミ帰りのN先生を捕まえて、口腔内写真の撮り方などを教えていただいていた勉強会がありました。それから間もなくしてメンバーはそれぞれのステージに進んでいき、会は終わりを迎えるわけですが、私にとっては補綴科での最後の花火ともいえる楽しい思い出でした。
 それからも絆は途切れることなく、顔を合わせばいつも心を許せるN先生でしたが、その先輩がこれまで積み重ねてこられた思考を形にした『臨床診断』のプレゼンテーションをもぐら塾で目にした時は大きな衝撃を受けました。なんかよう会にて二度目のお話を伺った折に、是非このお話を新潟で!という私の身勝手なお願いを快く引き受けてくださり、八月夏の最後に10年越しに『ダテ塾』が復活開催されました。
 本会では、一頻り臨床診断についてお話いただいた後、こちらからは若手が欠損歯列3ケースを提示し一緒に考えるというキャッチボール形式で進めていきました。臨床基本ゼミ講師でもあられるN先生ですから、その辺りの捌き方はお手の物。時間も3時間ぴったりで、拍手万雷のスターマインでした。
 その後は思い出のラーメンを一気に食して、颯爽と新潟を後にされました。前夜祭も含めて大いに盛り上がり、塾長自ら「定例会化!」と言い出すなど、今後も楽しい思い出を作っていけそうです。

2017年8月6日日曜日

KDM若手会・なんかよう会合同勉強会


 台風の影響で急遽土曜だけの開催となりましたが、濃密な一日となりました。演題全てが欠損歯列のケースということがそれに拍車をかけたことは間違いありません。
  第一部では、KDM若手会からは今後のKDMの欠損歯列を引っ張っていくであろう四天王が登壇し、息のあった掛け合いを見せていました。そこに共通していたのは、欠損歯列の『性質』を捉えようという姿勢です。先日の語る会でKDMは「絶対上顎」を掲げていましたが、そういったコンセプトを中心軸としながらKDMお得意のスクラム体制で突進してくるわけですから並大抵の迫力ではありません。


  一方なんかよう会からは、欠損歯列を捉えるという作業は抑えた上で、咬合関係・顎位・咀嚼といった要素に焦点を当てた3ケースが対抗馬として出走しました。火曜会の「絶対はない」という姿勢からの、試行錯誤が目につくプレゼン内容だったと思います。
  興奮冷めやらぬ中ケースプレは懇親会の場まで及び、アルコールの勢いを借りた発言も飛び出すなど、一息いれる暇もない一日でした。 
 本会を通して感じたことは、コンセプトというのは「ひと・くち・は」でいうところの少なくとも「くち」以上の外枠になければならないということです。コンセプトに当てはめれば決断は容易になるわけですが、その作業を「は」の枠でやってしまうと、「ひと・くち」に思考が届かなくなることでしょう。現在エビデンスをされているもののほとんどが「は」でのコンセプトということになりますが・・・ そういった点でも今回の2つのグループの意見交換は非常に手応えのあるものでした。