2015年9月27日日曜日

新・映像の世紀

 10月からNHKで『新・映像の世紀』が放送されるそうです。1995年に放送された『映像の世紀』は、10年以上前に再放送を見たのですが、今でも記憶に残る番組です。デジタルリマスター版が今月放送されていることに昨日気づいてがっかり・・・第10,11集だけ録画することができました。他はオンデマンドで見ることにします。
 今度の『新・映像の世紀』はその続編ということで楽しみにしていますが、20年前と今では製作陣もあらゆるところで様変わりしていることでしょうし、さてどうなることでしょうか。(あとみよそわか風)

2015年7月16日木曜日

もくあみ会事後抄録『犬歯の使い方を考える』

 過去4件の記事で取り上げていたもくあみ会の事後抄録が完成しました。14人の歯科医による犬歯に焦点を当てたケースプレゼンテーション集です。少数歯欠損から両側遊離端欠損までステージは様々ではありますが、根底に流れている共通したなにかを感じ取っていただける内容になっているのではないかと思います。金子先生のHPからご購入いただけますので、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。
  編集後記というほどのことではありませんが、少しだけ裏事情を。左の表紙画像は偉大な写真家からいただいたもので、大樹の下で賑わいをみせる集団はまさにもくあみ会の象徴です。冊子製作を終え、改めてこの会を大切にしていきたいと感じました。来年はどんな新人が飛び出してくるでしょうか。若手や中堅はベテランを脅かすような力がついてきたことを示せるでしょうか。活気ある会となることを期待しています。  

2015年6月25日木曜日

もくあみ会事後抄録完成間近

 ブログアップをさぼっているときは、きっと何かを一生懸命頑張っているときなんだろうと思ってください。
 かなり尻を叩いていただいたおかげで、もくあみ会の全体会の事後抄録がようやく完成しようとしています。全体会当日ではタイムキープがうまくいかず、伝わりにくかった部分もありましたが、それを補填しながら、かつわかりやすい形になっているかと思います。
 本書のまえがきにも書いているのですが、犬歯シリーズの集大成ではありますが、狙いとしてはこれを足がかりにして、次へと発展させていきたいという思いがあります。是非お手にとっていただければ幸いです。発刊は臨床歯科を語る会当日の7月3日です。直売も行いますが、金子先生のHPからも購入いただけるように取り計らっていただく予定です。

2015年4月13日月曜日

2015年もくあみ会3

 第二部『欠損歯列からみた犬歯』は、中間欠損と遊離端欠損に区分し、補綴設計を通じて支台歯としての活用法が論じられた。

 中間欠損は、可撤性補綴があらゆる点で最も威力を発揮する欠損形態だ。コーヌステレスコープは勿論のこと、クラスプデンチャーでも十分にリジッドにすることができる恵まれた条件だし、両端の支台歯の状態が良ければ、間に条件の悪い歯を取り込んでも経過対応しやすいのも大きなメリットで、患者さんにも受け入られやすい。そんな良いことづくめの流れに一石を投じる結果となったのが、上顎と下顎では顎骨のたわみの影響により経過が違うのでないかという発表だった。なるほどと思わせる推論で、固定式でも同様のことがいえる可能性があるため、臨床統計の一つとして調査しても良いのかもしれない。

 『遊離端欠損の補綴設計』では、下顎両側遊離端欠損に照準を絞って4ケースが繰り広げられた。企画段階から、このテーマを入れるのは危険と散々警鐘を鳴らされていたが、はっきりとその意味がわからないまま押し進めた結果、ここまで積み重ねてきた流れは霧散することになった。ここだけ切り取ってみれば面白いものだったと思うし、やはりそうするべきだったと後悔しているが、遊離端欠損という局面では、咬合力や受圧加圧といった欠損歯列が抱える問題が余りにも色濃く出てしまい、犬歯に焦点を絞るということが難しく、突然話題が変わったように感じられたと思う。 そんな中でも得られたことは、経過の中で生体の変化が大きいとされる遊離端欠損に咬合力の問題が加わったケースに対して、何もせずに追従していけるような支台装置というものは考えられないということ。犬歯に頼ることは当然必要ながらも、もっと大局的な目をもって過不足のないメインテナンスをしていくことが何より重要だということだった。

 自分なりに力を入れて取り組んだ全体会だったものの、蓋を開けてみると、会の進行はたどたどしく、その上時間は大幅に押してしまい、企画者として反省すべき点がこれほどまで明確になった年はなかった。素晴らしいケースを呈示していただいた演者の先生方や、多忙の中参加していただいた先生方、そして臨床基本ゼミ講師の先生方にはこの場を借りてお詫び申し上げます。

2015年3月23日月曜日

2015年もくあみ会2

第一部『嵌合位からみた犬歯』は、主に少数歯欠損のステージの症例で組み立てられ、まずは『弱体化した犬歯の回復』というテーマで2症例が発表された。犬歯を喪失すると咬合や補綴設計という点で難題を抱えることになるが、2症例とも状態が悪化した犬歯を見事に回復させ、ガイドの機能を再獲得させていた。1歯の保存にこだわる姿勢は基本ゼミで教わった最たるものの1つだが、中でもそれは『犬歯の保存』という局面において、特別大きな意義をもつように思われた。

次に行われたテーマは、『機能していない犬歯の活用』だ。歯列不正などから犬歯がガイドの機能を果たしていないようなケースがあるとして、その全てに臼歯部でトラブルが起こるわけではないだろうが、臼歯部が欠損したり弱体化しているケースでは犬歯が機能していなことが多いのではないだろうか。ここで発表された3症例のうちの2つは、犬歯機能不全に起因する臼歯部トラブル症例と考えられた。因果関係さえはっきりすれば、そこからの最大の目標は、犬歯の咬合接触とガイド機能の獲得となるが、その手段は補綴的あるいは矯正的な介入のどちらかに限られる。術者の技量も強く問われる局面だろう。残る1症例は10代の犬歯唇側転位症例であった。矯正治療により獲得された個性正常咬合は、将来欠損歯列にはきっとならないだろうと思わせるのには十分で、極めて予防的な処置であることを再確認させられた。

ここまでは犬歯活用ケースだったが、3つめのテーマは『犬歯の嵌合位を守る』として、犬歯温存ケースを4症例呈示していただいた。犬歯への介入がよぎる局面において、パーシャルデンチャー・移植・インプラントを用いることにより犬歯非切削とし、既存の咬合接触やガイドを保守するということに主眼を置いた発表がなされた。犬歯を積極的に削りたいと考えるような歯科医はもくあみ会にはいないが、一方でそれを錦の御旗にして即インプラント埋入が許されるような会でもない。線引きは非常に難しく、決断は術者にしかできないことだが、天秤の傾きは厳密に見極めねばならないということを改めて感じさせられた。

2015年3月9日月曜日

2015年もくあみ会1

 臨床基本ゼミのOB会である『もくあみ会』の実行委員として全体会に携わるようになってから、3度目の幕が閉じた。全体会は、実行委員2人体制で企画立案から当日の司会までを担当するが、振り返ってみれば、この3年間は2011年に金子先生が提唱された『KA367』の後追いをしてきたように思う。2012年は『欠損歯列における犬歯の役割』、2013年『左右的残存歯偏在の治療方針』と銘打ち、犬歯の重要性を象徴するようなケースをベースとしてディスカッションを行ってきた。その中で、『犬歯は欠損歯列において頼れる存在』であることが明確となってきたが、一方で犬歯を喪失したケースでは悲劇的な状況に追い込まれることが少なくないということもわかってきた。中には、医原性に犬歯を喪失したことで、左右的すれ違い咬合へ移行しつつあるケースもあった。そんなことを見るにつけ、いくらスーパースターの犬歯といえども無敵ではなく、切り札として慎重な取り扱いをしなければならないという思いが強くなってきた。
折しも、今年は全員参加型にしたいという考えもあったことから、『頼りたい犬歯・大切にしたい犬歯』という相反する命題に対して、『犬歯を活用したケース』『犬歯を温存したケース』という条件で、会員から広くケースを募ることとした。

 もくあみ会ほど犬歯に焦点を当ててきた会はない。その思いの通り、半数の会員から犬歯を中心とした物語を提示していただいた。 条件を絞らないという狙いだったが、集合を総覧していくと、幾つかの共通した思惑の元にそれぞれのケースは進んでいるということがみえてきた。局面ごとに犬歯に期待する役割が違う。こんなところからも犬歯の歯種特異性というものが強く認識される結果となった。共通するケースを細分化したのちに、2つに大別し、全体会は二部構成とすることとした。第一部は『嵌合位からみた犬歯』、第二部は『欠損歯列からみた犬歯』である。

2015年2月4日水曜日

印象材とアドヒーシブ8

ここまで、実験とはいえないような簡単な調査を行ってきましたが、それなりにベースとなる事象の確認はできました。ただ、この結果がそのまま臨床に当てはめられるかというとそうではないでしょう。どのような『印象採得』システムを用い、その中の具体的な条件下において、『印象材とアドヒーシブ』を正しく活かすための検証が必要であると考えています。
もくあみ会の準備で慌ただしくなっておりますので、若干?ペースは落ちるかもしれませんが、もう少し続けていきたいと思います。